耐震診断、耐震補強、耐震リフォームは一級建築士住宅耐震普及会の「ぐらチェック」にお任せ下さい。
震災と被害
震災の起こる確率、震災時にはどのような被害(2次的)が起こるのか、過去の震災被害を実例を挙げながらご紹介。
耐震診断とは
耐震診断とはどのような資格の人が、どのような診断をするのか。耐震診断の必要性を考えます。
耐震診断の手続き
耐震診断の依頼方法や自治体からの補助金・助成金のことをフローチャートを見ながらご紹介します。
耐震補強・耐震リフォームとは
耐震補強工事・リフォームのをする際の大切なポイントや、実際の施行例や予算に応じた施行内容をご案内します。
耐震補強工事・耐震リフォーム
   手続き
耐震補強工事を依頼する方法や、悪質リフォーム業者にだまされないための押さえるべきチェックポイントを紹介します。
自分で出来る簡単地震対策
地震は防げなくとも、地震対策としてご自身でできることはあります。防災グッズなどもご紹介しています。
住宅・マイホームを新築で購入
   予定されている方へ
一戸建てやマンションを新たに購入される場合の、注意しなければいけないチェックポイントをご紹介。
震災被災地支援活動記録
プロフィール(取材履歴)
松崎孝平の耐震ブログ
耐震診断依頼先リスト
耐震お役立ちリンク
「時間との闘い」

研究者、行政の防災担当者の間では、間近に迫った大地震に向けた対策に対して、今やこのような合言葉で語られています。大地震はある一定の間隔で発生することが知られています(資料1参照)。また、これまでの地殻変動のデータから総合的に判断しても大地震発生は時間の問題と中央防災会議※でも結論付けています。

※「中央防災会議」とは、内閣総理大臣を会長とし、防災担当大臣や防災担当大臣以外の全閣僚、指定公共機関の長、学識経験者からなる諮問会議です。

<資料1>
首都直下地震の切迫性
※PDFファイルです。
2004年新潟県中越地震での被害
2003年宮城県北部の地震での被害
※写真提供:東京都立大学土質研究室
「大地震の発生確率」

多くの人が「大地震は心配だけど、いつ起きるか分からないし、もしかしたら起きないかも知れない」と淡い期待を抱いているかも知れません。できれば来ないで欲しい大地震ですが、その発生確率は年々高まっています。「中央防災会議」で、今後30年の間に首都直下型地震が起きる確率は70%と発表しています。この70%という確率、どのくらいの頻度と受け止めるべきでしょうか?私たちの身の回りにある危険と比較してみましょう。

今後30年間の大地震発生確率 30年間の1個人の危険率
首都圏直下型地震 70% 火災で死傷する確率 0.2%
東海地震 84% 交通事故で死亡する確率 0.2%
宮城県沖地震 99% 交通事故で負傷する確率 20%

このように通常私たちの身の回りに潜む危険より、はるかに高い確率で大地震がわかります。
以下もご参照ください(※別ウインドウが開きます)。
■パターン1  一般住宅の倒壊
私たちに大きなショックを与えた1995年の阪神淡路大震災。
被害を受けた住家は、全壊104,906棟、半壊144,274棟、一部破損263,702棟と膨大でした。
そしてこれらの数字の中で最も注目すべき点は、被災地域内で1981年以前に建てられた家屋の実に90%が全壊、または半壊したという事実です。逆に1981年以降に建てられた家屋の倒壊はごくわずかなのです。
1981年というのは、つまり、新耐震基準が適応された年です。

1981年以前に建設された木造住宅─。

これが震災による被害の最も多いパターンであると断言できます。
また新耐震基準をクリアしている住宅でも、以下にあてはまる場合は特に倒壊の危険があります。
  • 地盤の悪い土地に立っている可能性がある。
  • タイル張りの浴室がある。(土台や柱の腐食を誘発します)
  • シロアリにやられている可能性がある。
  • 1階が駐車場になっている。(建物自体の強度が不足している可能性があります)
  • 増改築をしている。(2階の増改築はバランスを崩す可能性が高く、特に危険です)
■パターン2  マンション等の集合住宅の倒壊
鉄筋コンクリートのマンションや集合住宅なら安心と思っていらっしゃる方も多いかもしれません。しかし、阪神淡路大震災では数多くのマンションやオフィスビルが倒壊しました。
また、福岡県西方沖地震では、倒壊こそしなかったものの、大きな被害がありました。

まず、阪神淡路大震災でのマンションや集合住宅の震災による被害は、概ね建築年代に比例しています。※表2
<表2>
マンションの無被害率
1971年以前 38.3%
1971年〜1981年 44.8% 鉄筋コンクリート造りのせん断補強筋規定が強化される
1981年以降 60.1% 新耐震基準がマンションにも制定される

そして被害が多かったのが、1階が駐車場や吹き抜けになっていて柱だけで支えるピロティ式の建物でした。鉄筋コンクリートの柱が破壊されて1階がまるまるぐしゃっと押しつぶされる壊れ方です。
また、あまり予測できなかったパターンとしては、建物の中間層が倒壊したケースがありました。特に5階から10階建てくらいのマンションに多かったのですが、階の上下は何ともないのに、ひとつの階だけがつぶれていました。

過去のデータからも、木造住宅同様に、1981年の新耐震基準をクリアしていない、マンションや集合住宅は、強度の面でかなり不安が大きいことが言えます。
■パターン3  家具の転倒
建物自体は倒壊しなかったとしても、安全であるとは言い切れません。
室内に置いてある家具、電化製品、ピアノなどが命を襲う凶器と化してしまう場合があります。
阪神淡路大震災の例では、死亡原因の84%が圧死とされていますが、家屋が倒壊して下敷きとなって死亡された方のほかに、かなりの割合で転倒家具類によって圧死された方がいます。

家具類が転倒する他にも様々な二次的被害のケースがあります。
  • 食器棚の前面のガラスが割れて飛散する
  • 食器棚の中のガラス・陶器製品が割れて飛散する
  • テレビのブラウン管が割れて飛散する
  • ピアノが床をすべり走る
  • 本棚に積んであった書籍類が散乱し、避難経路をふさぐ
■パターン4  ブロック塀などの外構や外壁の倒壊
福岡県西方沖地震での唯一の死者は、倒れてきたブロック塀の下敷きになった女性でした。

昔はブロックをただ積み上げて、ブロックとブロックの間をモルタルで接着するだけの工法でした。
現在では建築基準法により、控え壁を設置することが定められていたりして、倒れにくくするためのガイドラインが敷かれています。

にもかかわらず、手間と経費を節減するために、そうなっていないケースが多々あります。特に見えない地面下の工事には手抜きがいっぱいあるのが現状です。
手抜き工事をされているブロック塀は、ブロックを積み上げているだけのものよりもタチが悪く、倒れるときは一枚ものでドサーッと倒れ込みます。総重量は何トンにも及ぶので、下敷きになったら命を落としてしまうことが予想されます。
  • ブロックやレンガなどの塀や外構の倒壊によって下敷きになるなどの被害
  • 外壁が剥がれ落ちてくることによる被害
  • 上記のケースによって、避難経路をふさぐ
■パターン5  窓ガラスの飛散による被害
地震では、割れて飛び散ったガラスが恐ろしい凶器になることがあります。
阪神淡路大震災では、4万人以上の負傷者のうち約1割がガラスによるケガだったといわれています。福岡県西方沖地震では、福岡市天神にあるビルから440枚もの割れた窓ガラスが、直下の道路に降り注ぎました。

ビルだけではなく、私たちが暮らす室内を見渡しても、窓ガラスから食器棚までガラス製品に囲まれています。
  • ビルやその他の建物のガラスが降り注ぎ、室外の通行人などが被害に遭う
  • 割れ落ちたガラスを踏むことによってケガをする
  • 割れた窓ガラスのある窓から室外へ非難する際にケガをする
一級建築士住宅耐震普及会・松崎孝平が過去の震災で見てきた実話です。

<新潟中越地震でのこと>

※イメージ写真
提供:東京都立大学土質研究室
私は家屋被害調査のため、新潟中越地震の現場へ向かいました。
新潟市は家の被害状況に応じて固定資産税の評価替えをするため、建築士の私を専門ボランティアとして要請したのです。
そこで私は少なからず落胆しました。この時見た光景は、10年前の阪神淡路大震災となんら変わっていなかったからです。

そして、この時出会ったある被災老人は「どうか全壊判定はしないで欲しい」と言いました。
この言葉が私の頭から離れません。
義捐金はもちろん全壊判定の場合の方が多く支給されます。
にもかかわらず、その老人は「全壊判定にはしないで」と懇願していました。
理由は、全壊判定にされたらこれから住む場所がなくなってしまう、ということでした。
半壊であれば、ある程度の補修で住み続けることもできるわけです。
年金暮らしの老人にとって、たとえ義捐金を受け取ったとしても、0からの家の再建は不可能です。住まいを失うということの悲しさと辛さを、私自身も突きつけられた出来事でした。
Copyright  2005 一級建築士住宅耐震普及会 All rights reserved. produced by i-pocket.